あの日あの時の極上のピザ
あの瞬間のピザの味が忘れられません。
当時、田舎で育ちで外の世界を知らない私が、大学進学の為に他県に引っ越しました。
一通りの引っ越し作業も終え、お腹もペコペコの夜9時ごろ。
田舎もんの私が考えられる最高のジャンクで、誰にも邪魔されない至福の夜食がピザでした。
早速ピザのデリバリーを頼もうと思い、携帯電話を手にすると、手が汗でびしょびしょなことに気づきました。
ピザを頼むことさえ、初めてで緊張していました。
四種の味が1つになったピザ、烏龍茶を注文すると、30分しないうちに到着。
こたつの上にピザをひろげて、一口。
「うめえ、一人暮らしってこんな悪いことができてしまうんだ」
そうな風に、今考えると笑ってしまう心境ですが、当時は私にとって、このピザがこれからはじまる自由を凝縮したような味だったことを覚えています。
もうあの瞬間の極上のピザを味わうことはできませんが、とてもいい思い出です。